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大好物は、食べるしかないわたしたち。

かいじゅうたちのいるところ/スパイク・ジョーンズ監督作品
かいじゅうたちのいるところ
愛が自己弁護。



それは、
「あー、なんで映画館行かなかったんだろう!あの時期。」
って思っちゃうくらい。

知ってるだろうけど、それって、「観れてよかった!」ってすごく思ってる、って意味だよ。

母親と映画を観るときはなるべく吹き替えで観るようにしてる。
字幕を読むのを億劫がるからだ。
これも吹き替えで観たのだけれど、訳が美しくて台詞がとてもよかった。



太陽がいつか死んでしまうって話を、マックスがキャロルに話すシーン。
不安がるマックスをキャロルはこんなことを言って励ます。
「俺はこーんなに大きいんだぞ!太陽みたいにちっぽけなものの心配なんかしてどうする!」

そうだ太陽なんて、窓におさまってしまうくらい…ううん、この指一本で隠れてしまうくらい小さいんだ。
どうしてそんなことまで、すぐに忘れちゃうんだろう。
なんで”ほんとうのこと”なんかに、こんなに騙されたりしちゃうんだろう。
そして、自分はこーんなに大きいってことも、なかなか、思い出せないんだよね。

作中では、マックスが、”かいじゅうたちのいるところ”に迷い込んでからは、”食べる”という行為が省かれている(私が憶えている限りでは)。
ただ、単語としては結構出てくる。
なんせ相手はかいじゅう。こちとら小さなこどもである。
そりゃ、「食べちゃうぞ」ってなるのが自然の流れってものだ。

でもそこにいるかいじゅうのみんなはマックスを食べない。だってマックスが王様になったから。

王様。
それはつまり、目に見えるだけ全部の、世界の主。オーナーになるってこと。
マックスはマックスの王国の王様。
それって実は、皆に言えることなんだ。
私は私の国、あなたはあなたの国、あのひとはあのひとの国の王様。

王様ってけっこう苦労するんだ。
だって王国には、いろんなかいじゅうが住んでいるからね。
不器用で気性の荒いやつ、穏やかで優しいやつ、賢くて頼りになるやつ、陽気だけどたまに僻みっぽいやつ、気が弱くて構ってほしがるやつ、もの静かでしっかりしたやつ、まっすぐで朗らかなやつ…
本当にいろいろだ。
それで、みんなひとつの王国に住んでる。笑って、喧嘩して、ばらばらになって。それでも夜はみんな重なりあって眠りたいんだ。
王様はいつも、王様でなくちゃいけない。
でも、その正体は、ほんとうはひとりの小さなこども。

かいじゅうは、つまり、かんじょうなんだと思う。(ほら、字面も似てるし。)

かいじゅうたちは、ときに、王様を、食べようとする。

でもどこかで叫んでる。本当にしたいのはこんなことじゃない、って。つい、ついあんなこと言っちゃったんだ、って。

マックスはかいじゅうたちの王様になってみて、自分がこの世界の王様だったんだってことと、でも、ただのひとりのこどもなんだってことを、いっぺんに知る。
マックスはキャロルの、キャロルはマックスの、マックスはかいじゅうたちの、かいじゅうたちはマックスの、愛だ、ってことも。
愛なんて大好物、それなら食べるしかないかいじゅうのわたしたち。

でも食べない。
箸を置く。
ナイフとフォークは皿に揃えて並べて置く。



大好物を味わうときは、「美味しい!」とか、「美味しかった!」と言う瞬間よりも、「美味しそうだ」と言ってる時間がごちそうだったりする。
もしもそれほどのごちそうにありつけたら、の話だけど。



食べもしないのに、私に「ごちそうさま」といわせるなんて、大したごちそうだ。

すごく良い映画だったんだ。
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ま★

Author:ま★
こんにちは。
ようこそおいでくださいました。

頭の中はとても愉快なやつです。
見た目はとっても冴えないですが。

更新は気まぐれになりそうですが、できるだけ頑張ります。

パーティーの招待状には、終わりの時間を書かないそうです。

しかしこのパーティーの本当に怖いのは、そもそも終わりの時間は永久に訪れそうにないこと。

ごゆっくり。

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