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風は吹き抜ける

通り過ぎる、過ぎ去る。

しかし、また、戻ってくる。

夢には中も外もなく、また風が吹き抜けている。

おおかみこどもの雨と雪/細田守監督作品
おおかみこども
「崖っぷちの男」観たさに出掛けた劇場だったけど…ちょっとしたハプニング。
上映時間がどうにもしっくりこなかったので、公開初日だったこの映画を観ることに。
細田監督の長編アニメーションならば…たまたま今までの作品も全て観ていたので、信頼感もあり。
でもまぁ残念だったなーと思いながら銀幕は開いたのですが…

開いてからは、「なにこれ…すげぇ…」の連発でした。

これを書いている今も、録画してあったサマーウォーズを観ていますが、今更ながらサマーウォーズはサマーウォーズで凄く面白かったことを思い知らされています(なんか言い方が変だ)。

ただ、サマーウォーズのときは、光速とか、音速の類いの興奮があった。(時をかける少女のときも…あれはまさに時をかけているわけだから、しかも文字通り駆けていたし…光速を超えているのかもしれないけれど。)

でも、おおかみこどもの雨と雪(以下おおかみこども)では、決定的に違うものを観ました。

風速の昂り。血がふつふつと騒ぐ感じ。



人間なんて、だいぶその機能においては退化してきている感じがしますが、本来、動物はすごく天気に敏感です。四六時中、天のご機嫌を窺っているものです。天の機嫌次第でその日のごはんも寝床も遊び場も、全部ぜんぶ変わってくるわけですから、当然といえば当然。
天気の変わるような風が吹いたときに、動物が反応しているシーンって、実は私たち、よく目にしていますよね。
ねこが顔を洗ったりだとか(ウチのねこの場合は、耳の上から顔を撫で下ろし始めたら、かなりの確率でひとあめきます)。鳥は地面低くを飛び始め、アリの行列は家路を急ぎます。

その報せは、全て、風に乗ってやってくるのです。

風が教えてくれる。



作品の途中、何度も風を感じたし、実際に、風が観えた。
この人は風を描くのがすごくすきなんだと思った。

だいすきなひとが、自分が今まで思っていた”ふつう”とまるっきり違うと知ってしまったとき。
とてつもなく核心的な愛の存在を感じたとき。
どうしようもなく避けようのない不吉な時間が始まるとき。
小さな胸の大きな勇気が張り裂けそうになる瞬間。

全て風が吹き抜けていた。

時に雨の粒を使い、よだつ身の毛を使い、草のそよぎを使い、カーテンのレースがなびくのを使う。
あの手この手で風が吹き抜けた全てのシーンが印象的で、記憶というよりも体感に残ってしまっている。



同じような色をした血が流れているというだけの、所詮は独りよがりから始まる大事な繋がりから、生き物は作られ、傷つき、迷い、喜び、苦しみ、そしてそれでも守ろうとしていく。繋ごうと、伸ばそうとしてく。
そこには風がいつも吹いていて、自分をひとりにしてはくれない嬉しさも哀しさも作中ずっと感じることができた。風が教えてくれることは、ほんとにほんとにたくさんだ。

今この瞬間に、もう一度観たいシーンがたくさん思い浮かぶ、それだけで凄いことだ。
とにかく良い映画だったと言わざるをえないと思う。
他のどんなひとより同じような血が流れているふたりが、まったく別々の道を歩く姿も胸を打ったが、

個人的には…
主人公と、主人公が愛した”ふつうじゃないひと”。
このふたりが結ばれる瞬間に、彼が”ふつうじゃないかたち”だったのが凄く良かったし、それを受け入れたふたりの度胸に胸が詰まる思いがした。

同じような血が流れているというだけで―――、
こんなにも別な生き物だし、こんなにも同じ生き物なのだ。

全ては風の教えてくれたこと。

あなたも風に誘われたならば、きっと乗らない手はないのに。

遥か対岸で蝶が羽ばたいただけでも、そう、あなたの元に、風は吹き抜ける。
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ま★

Author:ま★
こんにちは。
ようこそおいでくださいました。

頭の中はとても愉快なやつです。
見た目はとっても冴えないですが。

更新は気まぐれになりそうですが、できるだけ頑張ります。

パーティーの招待状には、終わりの時間を書かないそうです。

しかしこのパーティーの本当に怖いのは、そもそも終わりの時間は永久に訪れそうにないこと。

ごゆっくり。

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