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You look happy to meet me.

あなたを導く灯台の光は、その決意こそを、射抜く。



コクリコ坂から/宮崎吾朗監督作品
コクリコ
導かれるとき。それは迷いの中で。





季節柄、目につく花がある。

今の時期ならそう、向日葵だ。
鮮やかな黄色の花びらは、皆が避けたがるような直射日光の強烈な愛を、飽くことなく毎日求めている。
その季節になると、それこそ本当に毎日、同じように陽が昇って暮れるまで。

路傍に咲く植物というのは、その環境の過酷さを前提として、皆、すこぶる強い。
車窓から見えるアスファルトの割れ目や、田んぼの畦道、休耕地に生きる植物達。
誰かの家の庭や、花園や、温室のように管理の行き届いた場所でなく、誰もが一瞬で行き過ぎ、目的地にはしないような場所に咲く。

春なら土筆や蒲公英が、長い冬でこわばった土を突き破る。
夏なら向日葵が、誰より背筋を伸ばして立っている。
秋なら曼珠沙華。誰かを偲ぶひとを慰める花だ。
冬は皆が葉になり、根を組み合ってじっと耐えているのだ。
そして皆、太陽を愛している。
路傍の植物は皆、太陽への愛が強い。



太陽を愛するということ。

それはつまり、『上を向く』ということだ。
太陽の方角を、見つめるということだ。

花が咲くということ。

それは、その愛を継続させるということだ。
何故なら、その結果でしかあり得ないことだから。
咲く花が美しいのは、その結果でしかないのだ。

そりゃぁ、いつかは枯れてしまう。
その上、自分の美しさ(咲いている花にはこんな自覚なんて無いのだろう)が、こんな路傍から動かずに居て、誰かの目に留まるとは思えない。
つまりは太陽への愛が、報われるという確証は何も無いのだ。
それでも毎日同じことを繰り返す。
そうした果てにしか、辿り着けない場所がある。それは、しっかり地に根を張り、そこから動けない花だからこそ。



少女は毎日、旗をあげる。
茎を伸ばすように、その気持ちは天に向かう。
それは路傍の花と同じだ。

その毎日に、春のような日がある。
かすかな希望にも目を見張り、信じて上を向いている。

夏のような日もある。
身を襲う、何もかもが過剰に衝撃的なアクシデントにも、たじろがずに上を向いている。

秋のような日はどうか。
項垂れたくなるような切なさにも、それを撥ね除けようとするように毅然と胸を張り上を向いている。

厳しい冬の日にも君は。
動じない、揺るがない、誰もが下を向く日にこそ、負けじと上を向いている。



それが路傍の花の強さ。
誰も摘みあげ、手にしたことの無い美しさ。
高価な一輪挿しなんかには、飾ることのできない可憐。



少女の日常が、学びの庭の騒々しさが、リズミカルに美しく描かれていて本当によかった。
美しさは前作(宮崎吾朗の監督作品としての前作は“ゲド戦記”でいいんですよね?)でも十分観られたが、リズムについては抜群に磨きがかかっていたと思う。
肩の力を抜いて、クスっと笑えるような箇所が所々であったのも良かった。
それがまた、作品全体のリズムを作る節になる。
しかしそれもキャラクターの個性と愛嬌が活きてこそだ。それについても文句の無い仕上がりだったと思う。
これも個人的には、前作とは随分変わったなと思うところだろうか。

もう一回観てもいいかな、と思わせることの凄さ。

この時期にこのタイミングでこんなキャッチコピーで売ってくるような謎の軽い説教臭さは感じるものの(←捻くれた見方して本当に失礼だと思うけれど厭味でも貶しているわけでもないです…そこがすきなんです…)、これがジブリという世界に名だたるアニメーション制作(株式会社!)のクオリティ。
素晴らしい。
商業音楽を愛するのと同じように、愛してる。

要するに、なにがなんでも関係ない。美味しいものは美味しいということです。
スローフードだろうが無農薬だろうが、化学調味料使いたい放題添加物添加し放題だろうが。



『上を向いて歩こう』
愛を知ろう。愛に生きよう。
その決意をしよう。この場所から。

いいじゃない。それはどのみち、美しいことなんだから。





導かれるとき。それは迷いの中で。

それでも顔を上げたとき、だ。
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ま★

Author:ま★
こんにちは。
ようこそおいでくださいました。

頭の中はとても愉快なやつです。
見た目はとっても冴えないですが。

更新は気まぐれになりそうですが、できるだけ頑張ります。

パーティーの招待状には、終わりの時間を書かないそうです。

しかしこのパーティーの本当に怖いのは、そもそも終わりの時間は永久に訪れそうにないこと。

ごゆっくり。

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