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去り際、「また会いたいな」と言うので、「じゃあ長生きしろ」と言い返した。

未だ揺れは治まらず、不安は波よりも大きなうねりとなって押し寄せている。
今日も眠れない夜を過ごす人々に、一刻も早く、心地良い”静か”が訪れますように。

だって、あの街にも誰かの君が居るのだから。





純平、考え直せ/奥田英朗
純平、考え直せ
ねえ、やめようよ純平。
どうせヤツらは、遊びでしか賽子を振らない。



やくざの下っ端、坂本純平の3日間と、一生の物語。

ひょんなことから、組のために”鉄砲玉”になることを親分直々に命じられ、喜んで従うことに決めた純平。
皮肉にも、自分が娑婆におさらばを決めた途端に出会う、人・人・人…。
ここにきて初めて、次々と開いていく新しい可能性という扉。しかしそれがまた、次々と閉め切られていく。
そんな中、偶然出会い、一夜を共にした女・加奈に自分が鉄砲玉になることを軽い気持ちで打ち明けたところ、加奈がネット掲示板に純平の話題を投稿。

『純平君は考え直した方がいいよ…』

純平の運命を、見えもしない場所から揶揄しながらも心配し、勝手に奔走(?)するネット掲示板の住民たち。
小説というフィクションの中で起こる現実の出来事と、そのフィクションの中で「これネタでしょ」と、更にフィクションを疑うという構図が面白かった。すごく現実的な気がした。

多分、本当は、彼ら(というか私たち)にとって、純平の話がフィクションかそうでないかの嗅ぎ分けなど重要でない。いや、必要がない。
これは、世の中で起きていること(起きているとされていること)の、ほぼ総てに言えることじゃないかと思う。

そんなことはどっちだっていいのだ。
”あり得る”。
これだけで十分すぎるほどだ。
ヒトの喜怒哀楽なんかには、それだけで十分なんだ。



そんな掲示板の意見にも時々は目を通しながらも、実際出会ったたくさんのヒトにやんわりと説得されながらも、決して考えを変えようとはしない純平。
彼が選択していく運命には、いつも諦めの大前提があった。
結局憧れのカオリには本当のことを打ち明けなかったことも、彼の行動が、この期に及んでも、お人好しな優しさと諦めの大前提の前にあっただけの話だ。
純平が運命の扉を叩く寸前の走馬灯の中にすら、カオリが姿を見せなかったのがなんともいじらしい。

信じていたものが揺らぎ始めても、今まで自分でも信じられると思ってもいなかったものが顔を覗かせ始めても、もう引けない。引き返せない。

「ねえ、やめようよ純平。」

今夜知り合ったばかりの女がベッドの上で呟く。その言葉にどれだけの気持ちが注がれているか………いや、疑ったり、腹を立てたりしているわけじゃない。
そんなこと気軽に言うな!なんて、感傷的になってるわけでもない。
ただ、どうせそんなもの、天秤にはかけられないのだ。

やることを、やるだけ。

たとえ自分はひとつの駒にすぎなくても、賽は誰かのまったくの気まぐれで投げられたとしても。
やると決めたことだ、信じると決めた道だ。
そこに裏切りや、嘘があっても。
どうせ天秤には、かけられないのだから。

純平と西尾のジイさんとの会話がすき。タイトルもここから拝借してみた。





彼は引き金を引く。
やることを、やっただけだ。

”あり得る”話はそこらじゅうに落ちている。

この3日間は、一生よりも永かった。
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ま★

Author:ま★
こんにちは。
ようこそおいでくださいました。

頭の中はとても愉快なやつです。
見た目はとっても冴えないですが。

更新は気まぐれになりそうですが、できるだけ頑張ります。

パーティーの招待状には、終わりの時間を書かないそうです。

しかしこのパーティーの本当に怖いのは、そもそも終わりの時間は永久に訪れそうにないこと。

ごゆっくり。

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